まれに新卒エンジニアの採用のプロセス(ここではテスト、面接といった選考過程ではなく、その前段階や決定への後押しのこと)に関わることがよくある。
このとき、自分たちの会社やプロダクトの状況、使っている技術、組織、今後の展望などなどいろいろなことを振りかえって考えて、簡単にも難しくにも説明ができるように心がけている。
そして、いざ新卒エンジニアの採用の場に出てみると、自ら様々に動いていて、キャッチアップ、アウトプットをして優秀な人が非常に多いと感じる。(他の職種のことをしらないだけではある)
極稀には、今の自分より色々知っていて詳しくて、バリバリ仕事を進められるんじゃないか、という人も居る。とても素晴らしい。
優秀なメンバーを増やし、自分たちの事業をどんどんすすめるためにも、そんな人たちが自分たちの会社に入ってくれるのがうれしい。なので、彼らにも声をかけるし、プッシュもしてみる。けれども、本心では彼らが一番幸せになれる場所、楽しくやれる場所に入ってほしい、と思ってしまう。
例えば、ある人がめちゃくちゃにRustをやっていて、会社・プロダクトとして魅力を感じている、けれども自分たちの会社ではRustは一切やっていないしやる予定もない、みたいなケース。
志向性(Rustにこだわりは強くない、たまたまよくやっている VS Rustに魅力をめちゃくちゃ感じてやっている)にもよるだろうけれど、もしかしたら、更に自分たちの会社・プロダクトの魅力を伝えることができれば、自分たちの会社に入社を決めてくれるかもしれない。でも、会社・プロダクトへの魅力がそこまでだけれど、Rustをもっとやれるような会社のほうが幸せになれるんじゃないだろうか。もう少し検討してもらうのがいいんじゃないだろうか、と自分たちの会社を激推ししにくい。
自分たちの会社で、なんとかしてRustをやれるチャンスを作る、というのが一番いいのかもしれないけれど、おしごとというのはなかなかそうもいかないことが多いと思うし、作ったよ!!!といったところではたしてうまくワークしていくかもわからない。
と、いうのが、これは自分が就活していたときの結果にどこかコンプレックスを感じているというのが背景にある。
かつて自分が就活していたときには、勉強会バンバンやって、自分よりすごい人がごろごろいて、毎日仙豆が必要なダメージを受けるんだろうな!!!!という漠然とした気持ちしかなくて、フィーリングでここだ!と決めた。いざ蓋をあけてみると、これがまたなかなかで、これはこれで貴重な経験なのでは〜と今では思う。
その一方で、就活当時に出会っていた他の、もっと技術を推している会社を受けて、もし入れていたら、得られる学びは何倍にもなっていた可能性は大いにある。そしてそれが何年間も積み重なる。このことを自分の中ではある種の失われた時間のように思っていて後悔が残っている。
だからこそ、当時の自分がいま目の前にいるな、と思ってしまい、自分の今いる会社が、本当に彼らに対して推せるのか、を悩んでしまう。
よく考えたら中途採用でも一緒だな。この人よさそう!と思ってもなかなか声かけにくいなと感じることはある。